歴史だって武勇伝
ツイートで飽き足らずブログに挙げます。
なんか批判されているみたいなんで、とりあえず見てみました。暇なので揚げ足取りでもしたいと思います。大学2年生レベルで歴史学をかじった僕の愚痴でも聞いてやってください。ちなみに本稿はオリラジ中田のYouTube大学のことを言ってます。
まず、動画の最初で彼は本を1冊取り上げ「僕はこれで勉強しました!」と自信ありげに語ります。
「え?1冊??」
もうこの時点で大学を名乗るな。
そこから歴史(のような何か)を語っていくのですが、内容に対しての批判をすると
「日本は経済的にも国際的にもどうにもなくなって太平洋戦争に至った」
との言説は許し難いです。
あたかも日本が国際社会に巻き込まれて戦争をすることになったという開き直りのような語り方をしていますが、どうにか加害者意識「も」持って欲しいところですね??
ついでにYouTubeのコメント欄まで見ましたが
「こんな授業が受けたかった」
「高校の時間を返せ」
などの言葉が多いです。
歴史学習は現代との相対化に必要なのであって(他にもあるけど)、間違ってもストーリーとして読んで「あぁ〜、面白いね!」などというためのもんじゃありません。そんなもんは歴史小説であって、娯楽です。
アレを見て(僕は近現代だけ見たので)、近代資本主義による帝国主義の反省ができますか、できません無理です。
彼は「色々意見あるだろうけど歴史の入口としてはいいんじゃないか」などと美談に持ってこうとしてますが、案内人になりたいなら責任持ってもっと勉強して欲しいです。
じゃあなんでこんなに評価されるのか、と言われると、単に面白い以外に、「受験には有効だから」だと思います。
こんな空っぽの歴史でもセンター試験の点数は1割上がるそうです。それなら帝国主義の反省よりもよっぽど有用だと思います。
所詮は受験勉強の道具なので、こっちが正しいと考えると虚しくなってきます。予備校滅びてくれんかな。
正しい歴史とそれを批判する力は、歴史を思想に利用されないためにも必要なはずです。副首相すら「日本は同一民族で発展した」とか明らかに間違ったことを言ってる時代だし。
余談ですが、歴史総合での新指導要領も「明治維新万歳、近代日本万歳」などという感じになってしまっているようです。仕方ないけど。
結局何が言いたいかって、「こんなもん」で歴史を勉強した気になったら困るんです。娯楽としてならいいけど、歴史教育の本質からは大きく外れてます。
ここまでボロクソに言いましたが、教師の視点からは学ぶこともあります。
彼は芸人だけあって「喋るのが上手い」です。
帰省した時に元担任が言ってたのは、いい授業には「深い知識」と「上手い喋り」が必要だということです。いくら修士の称号を取ろうとも上手に喋れなきゃ、教師としては意味がありません。その逆なのが彼です。
深い知識を上手な喋りで生徒に翻訳できるか、ということが大事だと今のとこ僕は思ってます。
現状で彼の方が支持されているのは受験産業のせいにしたいですが、我々の敗北でもあります。
はい、エドテン🙏🙏